Kayacc Klavier

必ず知っておきたいピアノ選びの2つのヒント2024. 4. 10

kayaccklavier

「ピアノ選びに上手いとか下手とかってあるのでしょうか?」
とある海外ピアノメーカーの方に質問をしました。
すると、その方は意外なエピソードを教えてくれました。
「あるピアニストがホールのピアノ選定のためご来社され、選定は数分で終わりました。」

サっと鍵盤のレスポンスを確認した後、とある曲の冒頭を少しだけ弾き、すぐ次のピアノに移動。また同じように冒頭の和音を弾く。
そして一言「間違いない、このピアノです」と。

メーカーの方は続けて
「長い時間をかけて選ばれる方も勿論いらっしゃいますが、多くの場合は混乱と迷いが判断に影響しているように感じます。」
このように話されました。

ピアノ選びを考えるとき、私はいつもこのエピソードを思い出します。
これまでの経験に照らし合わせてみても、かなり説得力のある話だったからです。

勿論、一般的なピアノ選びの参考にするためには、前提の違いを考えなければなりません。

  • 家庭用ではなくホールで使用されるピアノ
  • メーカーの新品同機種が並んでいる状況
  • 恐らく何度も選定を経験している世界的ピアニスト

挙げればキリがないほど違いはあると思いますが、実は、良いピアノを選びたいという方にとって共通する2つのヒントが隠れています。

1つ目は、どのピアノを選んでも正解な状況という点です。
これは候補のピアノに対するそもそもの信頼感、ご自身の欲しいピアノに出会えるショールームかどうかという最も重要なところです。この中のどれを選んでも失敗はないと思えることで、選ぶこと自体に気持ちを集中することが出来ます。

2つ目は、ファーストインプレッションの大切さです。
皆さんピアノ選びの際は神経を研ぎ澄ませて集中されますから、時間が経つにつれて徐々に脳が疲れてきてしまいます。最も鋭い感覚でピアノと向き合える時間は実は長くありません。また、集中力を保つためにもリラックスしてピアノを選べる空間であることも非常に大切です。


ピアノを選ぶ前にこの2つを意識しておくだけで、あなたのピアノ選びは素晴らしいものにまた一歩近づきます。人生の宝物との出会いを望んでいる方、ショールームへ一緒に行って欲しいとお願いされたピアニストさんや先生にとって少しでも参考となりますように。